Sunrise @ Mauna Kea

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Quote of the Day

2008年12月9日火曜日

Carbon

これまでに読んだ宇宙関連の啓蒙書のなかで、

佐治晴夫「宇宙の不思議」ー宇宙物理学からの発想ー (PHP文庫)
から目からうろこが落ちたような
おおきな感動を覚えたのは..


星が炭素をうまくつくるには
(ビッグバンの宇宙創世後、137億年と想定されている「歴史」
のなかで)およそ100億年という時間が必要

という記述に出会ったことだった。

炭素は、原子の並び方がかわるだけで、
木炭になったり、ダイヤモンドになったりする
元素だが、生命体をつくっている
重要な元素でもあり、水を除くと、
有機体はほとんど炭素からできている。

そして炭素は、星が自分の重み
でつぶれながら内部の温度を上げ、
水素からヘリウム、ヘリウムから炭素と
核融合反応の火がついて光り輝く過程
でつくられたものだという。

それらの星が一生を終えて爆発し、
こっぱみじんになり、宇宙空間にまき散らされ、
それらがもとになってできた地球のような星
に生命体、そして人間が存在することとなった。


..炭素がなければ、生命が誕生しなかった
その地球で、人間のいとなみからくる
二酸化炭素による温暖化が自らを
おびやかすという状況が生じている
のは皮肉ともいえるが、
「美しい地球」に生をうけた人間に
今(宇宙の時間の流れからみればほんの一瞬)
生きていることの意味をあらためて
考えさせてくれる一冊であるとおもう。