Sunrise @ Mauna Kea

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Quote of the Day

2009年8月23日日曜日

Choice

いつか読もうと思って、本棚に置いたままなかなか読めなかった本のひとつに「生命40億年全史」(リチャード・フォーティ 渡辺正隆訳 草思社 2003)がありました。

訳者あとがきによると..

四〇億年の歴史を一気に語り尽くそうなどという希有壮大な企てに、それも単独で挑んだ著者などいなかった。そこにあえて名乗りを上げたのが、大英自然史博物館の古生物学者リチャード・フォーティ博士である。博士は、生命四〇億年の歴史を一つの物語、自分なりの解釈による生命の一代記として描きたい欲求にかられたのだという。かくして誕生したのが、本書「生命40億年全史」(LIFE:An Unauthorized Biography,1997)である。

..と紹介されていました。


480頁ほどの訳書に著されたこの壮大な物語を読んで、

エッセンスとして残ったキーワードは...


「選択」というコトバでした。


生命体が原始的であるか否かを問わず、いのちあるものとそうでないものとの違いは、みずから選択するということがあるかないか、という点にある


...ということが、

この書物より得た学びでした。


奇しくも、TEDでの

アキュメン・ファンド代表ジャクリン・ノヴォグラッツさんの講演


貧困とは選択と自由が欠如した状態を指すのであって
収入はひとつの変数でしかない


と述べられていた事がなぜか想起されたのでした。。。

2009年8月16日日曜日

Cloud

夏といえば入道雲のイメージがありますが、目にする機会がなぜか少なくなってしまっているような気がします。風景がいつのまにか変わってしまったのでしょうか..

雲といえば、ITの世界ではクラウド・コンピューティングが最近のバズワードになっているようです。

背景には、Web2.0以降のネット環境があたりまえのように世界に普及していることがあるのでしょう。ブラウザを通して、さまざまなアプリケーションをほとんど制約なく開発・利用できる地平が開けたことにより、それ以前、せいぜいページめくりのイメージしかなかったブラウザを通してのコンピュータ利用に、制約がなくなったということです。梅田望夫さんの「ウェブ進化論」(2006)は、まさにその世界の可能性に目を開かせてくれました。

日本においては、そのソフトウエアの側面よりは、データセンターなどハードウエアの側面に関心が偏っているような印象がありますが、Google、Amazon、Salesforceをみていると、ソフトウエアの発想が原点にあり、結果的にそのための必要条件として、何十万台ものサーバ群をネットの向こう側において、あたかもひとつのコンピュータが動作しているようにみえるスタイル(..ちなみに世界最初のコンピュータといわれているENIACはたった2万本弱の真空管!からできていてそれでも倉庫1個分のスペースを要したそうです!!..)を、オープンソース/自社開発およびその組み合わせで実現した(オープンソース寄りか否かの差はその3社のなかでも違いはありますが..)のではないかとおもいます。

そういう意味で、クラウド・コンピューティングをソフトウエアの観点からみると、ネットの向こう側にある、データセンターのハードウエアは、それを動かすための資源であって、その要件に応じてスケールアップないしはスケールアウトできればよいものといえるでしょう。

果たして、メインフレームからオープン化の世界の潮流にも大きく立ち遅れた感のある日本において、クラウド・コンピューティングは普及するのでしょうか。

それでも日本の先進性についていえば、インターネットの通信インフラが、世界最先端の水準にあるということです(これは経企庁長官もなされた堺屋太一氏と民間の孫正義氏の貢献が大なのではとおもっています)。いわゆるラストワンマイルボトルネックを日本は世界で一番解消しているということなのです。ここでも、ハード整備が先行している感は否めませんが、個人としてネット利用している日々の実感を裏づけています。

この恵まれたネット環境をそれ以上に生かせるかどうかの鍵は、ソフトの発想にあると確信しています。


一方、1998年に発刊された「ボランタリー経済の誕生」金子郁容・松岡正剛・下河辺淳・他は、21世紀の日本の経済社会環境へのビジョンを示す書物として、ずっと気になっているもののひとつなのですが...

そこに示されたような、【個人(司馬遼太郎に気づかせてもらった日本の誇るべきルーツ「名こそ惜しけれ」)の、一所懸命的コミットメントのある】自発性にもとづく、これまでの企業モデルになかったような、多様な事業活動、を支えるIT基盤として、クラウド・コンピューティングが、そのような"ソーシャル・スピリット"をもつ人々の味方になってくれるテクノロジーとなることを願っています。さらに、オープンソースの潮流が、その環境をグローバルに支えてゆくことになるとおもいます。

2009年8月13日木曜日

TED

情報密度の濃いTED(Technology,Entertainment,Design)ビデオ・サイトで、ようやく公開ビデオが日本語字幕付きでみれるようになってきています。

未来を予見するようなイノベーションを紹介するビデオで、最近、とくに興味をひかれたのは、MITメディアラボの「第六感」デバイスについてのプレゼンテーションでした。

これをみて感じたことは、企業、組織、個人の情報発信・公開のオープンな社会環境を前提にしているということでした。

情報の Open vs Closed について個々に賛否両論があるにせよ、どちらの流れに立って、未来をみているのかという視点が、これからの社会をみつめるうえで大切なポイントになってくるようにおもいます。

以下のTEDビデオも(Ideas worth spreadingに)共感できる人々と共有できるとイイナとおもいます:
英国首相ゴードン・ブラウン: ウェブを繋いで地球に善を!
□メディア・シフト:クレイ・シャーキー 「ソーシャルメディアはいかに歴史を作りうるか」 ソシアレでも紹介されています。
ニコラス・ネグロポンテがコロンビアへOLPCを持って行く
ケン・ロビンソン「学校教育は創造性を殺してしまっている」
アレックス・ステッフェンが語る「持続可能な未来」
アル・ゴア元副大統領が気候の傾向を警告
ジャクリン・ノヴォグラッツ「貧困からの避難」
バリー・シュワルツ「知恵の喪失」
ミッシェル・オバマの「教育への願い」
ゲーバー・タリーが工作を通じて教える人生の教訓