「出現する未来」(監訳:野中郁次郎/訳:高橋裕子)
原題 - Presence:An Exploration of Profound Change in People,Organization,and Society
by Peter Senge,C.Otto Scharmer,Joseph Jaworski,Betty Sue Flowers
4/24-25に国連大学で開催された
WorldShift Forumのセッションで、
「U理論」が紹介されていたこともあり、GW中に興味深く読むことができました。
本書は..
「学習する組織」のコンセプトを世界に広めたピーター・センゲ
をリーダーとして未来の予知能力をどう捉え、育成するかを解明しようとして
著者たちが対話を重ねる構成になっています。
そのなかで中心的に紹介されているのが、
オットーの提唱している、
①センシング(現実に埋没し状況と一体となる)
②プレゼンシング(出現する未来の源の内側から見る現在を見直す)
③リアライジング(大きな世界を共に創る)
というプロセスからなるU理論です。
このプロセスは、学習のレベルを深め、全体 ー 現状の全体だけでなく、
進化する全体 ー への意識を高め、行動を異なる未来を創造するものにする
..というもので、対話のなかで西洋の世界観にとどまらず、
東洋の思想にも折にふれ触れています。
この興味深いU理論のプロセス・モデルをみてふと連想したのは、
ドラッカーが「すでに起こった未来」のなかで、
人と人とのコミュニケーションについて、
コミュニケーションとは
①知覚し、②期待し、③関与する
ことである
と述べていたことでした。
それに対して、U理論は、原題にもあるように、
人、組織、社会に深い変化をもたらすための新しい考え方
と言えるようです。